松下 昇 資料集〈楔〉

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    【1990年代中期、神戸大学〈松下研究室〉前にて】

    ◎松下昇既刊パンフ

     ところで、概念とは、こちらが把握したい時に把握できるのではなく、ある瞬間、否応なしに、こちらを把握してくる本質をもつのではないだろうか。ドイツ語では、概念に相当する言葉はBegriffであるが、これは、begreifen(つかむ)から派生しており、ある示唆を与えてくれる。ハイネも「私は自由の奴隷である」というロベスピエールの告白を引用しながら、「理想が我々をつかむ」時の抗いがたい力について語っていた。(表現集152ページ参照)
     前記の〈理想〉は、〈概念〉とは異なる概念であるが、双方を共通に動かす力学が感じられる。この力学をこそ追求しつつ、この概念集の作業をおこなっていきたい。
        (概念集・1・・・「概念(序文の位相で)」より)

    ○概念集シリーズ

       「UFOに乗る時に最低限の荷物しか持てないなら、この概念集シリーズのようなものを持って行くでしょう」と幾度か聞いた。インターネットはUFOではないけれども、まず、思いの深かった「概念集」オリジナルからPDF化してアップしていくことにした。概念集シリーズは、松下の表現過程にとって還相的表現とも言うべき位置に出現しており、後景に広がる膨大な往相プロセスの理解と共に、総合的に追究〜把握する視点が不可欠であろう。もちろん、表現過程のどの一瞬も〈往相〉〜〈還相〉を含む複素数的構造を持っており、〈ヒト〉の存在様式を宇宙的視座で写像し返す怖るべき全容への端緒を開示するはずである。

    • 概念集シリーズリスト

    •  ※(概念集全バックナンバーのダウンロードをご希望の場合は野原燐気付〜刊行委校正の
        「概念集」ZIP
      をクリックしてください。
       なお、全ての既刊パンフは「断章及びリンク」のページからダウンロードすることができます。)

    ○菅谷規矩雄追悼集

         松下の凄絶な孤独にとって菅谷は特別な存在であった。悲哀は外に溢れ出すのを深く拒絶しながら、澄明な鏡のように表現情況の〈現在〉を映し出している。

    • 菅谷規矩雄追悼集

    ○時の楔シリーズ

       「〈十〉年をこえて、きざみつけてきた原則や方法を死滅させてはならないし、過去の事実性を完結したもの、転倒不可能なものとみなす一切のものに、戦いをいどむことなしに一瞬も生きていけない、という、うめきの中で{時の楔}を構想している。〔〈0〉号まえがきより〕

    • 時の楔シリーズリスト

    ○神戸大学闘争史

       特定の大学ないし特定の個人が引き寄せる作業が、思いがけない普遍的なテーマに開かれていく〈大学闘争〉の特性にあらためて気づかされる。

    • 年表と写真集
    • 1992・4・28討論の記録
    • 1993年1〜3月討論の記録

    ○五月三日の会通信

       1970年5月3日、日本独文学会総会において有志数名が呼びかけた声明を契機に、大学闘争の渦中で処分された全国の教職員の問題を共有して、思想・表現の自由、教育・研究の真のあり方を世論に訴えていく表現媒体として出現した。

    • 五月三日の会通信・バックナンバー

    ○批評集シリーズ

       様々な領域で自分に関して語られる言葉の集合を〜松下昇についての批評〜として把握し、法国家からの批評(α編)、マスコミからの批評(β編)、個人からの批評(γ編)というパンフに収録した。配布過程を通して〈石をパン〉に換えつつ生存の糧ともした。

    • 批評集〈α編・β編・γ編〉リスト

    ○表現集

       〈 〉版は、1971年1月に発行された「あんかるわ別号《深夜版》2松下昇表現集」をファックスでマスプリして配布する形をとった。最初のページ「表現集の〈 〉化について」の結びに次のように記す。「私の表現というよりは、〈大学闘争〉と呼ばれる世界史的波動の中であふれてきた〈表現〉や〈発言〉を、拡散と抑圧を加速する、この現在の偏差系のなかで、遠い夢の組織論の武器として再構成し、その向こうへ跳躍しようとすることなしには、〈私〉の全ての沈黙も許されない、とつぶやきつつ……」

    • 表現集・〈 〉版(〜1988年1月〜)
    • 表現集・(続)(〜1988年12月〜)
    • 表現集・3(〜1994年4月〜)

    ○発言集

       「人間の表現の価値は記録しやすさとか保存しやすさを基準に逆規定されるべきではなく、表現の衝動〜必然として等価であり、その全的解放の方向で把握すべきではないか。」発言集・3ー記述・発語の二分法を超えて(序文の位相で)より

    • 発言集・〈 〉版(〜1988年9月〜)
    • 発言集・(続)(〜1988年12月〜)
    • 発言集・3(〜1994年5月〜)

    ○証言集

       1986(昭和61)年3月24日、大阪高裁の民事法廷(1007号)を傍聴していたひときわ穏やかな青年が〈公務執行妨害罪〉で逮捕〜起訴された。「法廷内の〈瞬間〉」と「控室の〈瞬間〉」との関係を通して、権力・反権力双方に内在する〈罪〉の構造が審問過程の闇と共に照射される。

    • {3.24}証言集・上
    • {3.24}証言集・下

    ○救援通信最終号及び討論の記録

       「本来の救援は、国家による処分に関する裁判が形式的に終了したところから始まるのではないか。いいかえると、国家による処分の審理によっては何も解決されず、救援する過程で見えてきた多くのテーマが、救援組織の解散によって放置されていく、という事態に対する〈救援〉こそが待たれているのである。この場合の救援は、現在ないし未来形の新たな闘争ないし試みと結合していく時に成果を深めうるであろう。」(もう一つの解散集会)

    • 救援通信最終号(1991年5月1日)
    • 1991.6.20 討論の記録ー不確定な断面からの出立ー

    ○正本ドイツ語の本

       この〈本〉をめぐる討論の記録等関連資料が前掲の発言集・3(〜1994年5月〜)に掲載されているので、合わせて読んでいただきたい。また、テーマの困難さや根源性を示す1981年秋の熊本自主ゼミに関する松下〜のやりとりを〈熊本版〉正本ドイツ語の本をめぐる断面として原始資料のページに掲載する。

    • 正本ドイツ語の本(1977年9月30日)

    ○序文とあとがきから見た既刊パンフのリスト

       松下は「序文とあとがきに注目する視点は〈ハイネの序文に関する序論〉(表現集1に掲載)の現在的応用でもある……」とリスト2の序文で述べている。咀嚼の意味も込めて〜序論を「資料抜粋」のページにテキスト化してみた。神戸大講師時代の文学論文として出現しつつ、既存の(論文)位相を超え出ようとする気配にあふれている。

    • 序文とあとがきから見た既刊パンフのリスト(〜1993年1月〜)
    • 序文とあとがきから見た既刊パンフのリスト2(〜1995年1月〜)
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